『Rance 砂漠のガーディアン』について調べて気になったこととそれに関するメモ
下記ツイートを見つけて、そのツイートとそれに対するリプライを見てちょっと気になることがあったため、ブログに書いておこうと思い至った。
砂漠のガーディアン監督もゲームやってませんよそんなんってハッキリ言いはなった 喧嘩になった 脚本にあった無駄な吊り橋のシーン困った言ってたけど上手く演出してて凄いと思った アニメ最高だったし面白い負け!だからまた年取ってから見るといい(もう時効やからね)#ランスシリーズの思い出
— YUKIMI 🌹🕊🌈 (@yukkiy19905) 2019年8月7日
上記のツイートをされた「YUKIMI」さんという方は大手アダルトゲームメーカーであるチャンピオンソフトがアリスソフトというブランドを立ち上げる前から同社の原画家として活動されていた方で、同社の看板ソフト『ランス』シリーズの初期にメイン原画家として原画を担当されていた。
“砂漠のガーディアン”は1993年に発売されたアダルトOVA『Rance 砂漠のガーディアン』のこと。
自分はアリスソフト関係のツイートは結構見ている方だと思ったが去年のこのツイートは完全に見逃しており、最近になって偶然知った。検索から同時期の過去ツイート見てもどういう流れでツイートされたのかわからない(検索で過去ツイートを確認することは出来るが該当ツイートの前後にRTあったか等はそこまで過去ツイートを遡れないために確認出来ない)ため、
①“砂漠のガーディアン監督も「ゲームやってませんよそんなん」って~”
②“(誰々が)「砂漠のガーディアン監督もゲームやってませんよそんなん」って~”
③“(YUKIMIさん自身が)「砂漠のガーディアン監督もゲームやってませんよそんなん」って~”
――と、どの意で言ってたのかわからず。ツイートの後ろの部分見るに③のような気もするが、自分が気にしているのはツイートされてから結構な時間経った今、検索等からこのツイートを見た人は①の意で捉える人がもしかしたらいるんじゃないかということ。
『Rance 砂漠のガーディアン』という作品については、2019年以前は大体、声優の矢尾一樹さんが主役のランスを演じていたことや脚本をあかほりさとるさんが担当されていた事が話題になるくらいで、監督やアニメーター云々のスタッフ関連の話題になることはほぼほぼ無かった(もしかしたら過去に2chの作画板等で話題に上がったことはあるのかもしれないが確認していない)。これはアダルトアニメではスタッフの多くは偽名を使用したり関わったことを公表しないため、参加した本人や周りが言及しない限り、特定が困難(絵や演出の癖から特定されることは稀にある)であるということが大きいと思われる。
ところが、が!2019年5月にある方の『Rance 砂漠のガーディアン』のツイートに対して「makkutokyo」さんという方から下記のリプライが付く。
こんな感じの絵でやってました。 pic.twitter.com/v9CoaTHZaq
— makkutokyo (@makkutokyo) 2019年5月1日
それまで監督は不明だった中、突然の「当時監督やってました」というツイート。実はこの「makkutokyo」さんという方は、ディープなアニメファンやゲーム好きな方なら一度は名前を聞いたことはあるであろうRPGの名作『グランディア』で監督をされていたアニメーターの「本谷利明」さん!
※先月にはSwitchで『グランディア HDコレクション』が発売された。本谷さんが関わっていたのは上記映像にもある初代『グランディア』のほう。
本谷利明さん本人が『Rance 砂漠のガーディアン』について言及してくれたのだった。
本谷さんはホームページやツイッターで、関わった作品の裏話をしてくれたり当時の資料等を公開してくれる方で、中でも『グランディア』の話や設定画、絵コンテの公開など、ファンならたまらないだろう(『グランディア』オープニングのコンテは必見!実際のオープニングと見比べてみよう)。
――で、本題はブログ1番最初に貼ったYUKIMIさんのツイートで、このツイートにはRTやイイネが10数個付いており、見る限り多くはアリスソフトやランスシリーズのファンの方にされている。気になったのは、同ツイートに付いていたリプライ。
当時、制作に何度も、原作ソフトを提供するよう求めたのですが、結局、貰えなかったのです。
— makkutokyo (@makkutokyo) 2019年10月25日
プロデューサには「うちにはPCが無いからどうせプレイできない。適当にでっち上げろ。」と言われ、そのままコンテ作業に入りました。
なぜかランスとシイルのキャラ表だけ、先行で出来ていたのは幸いでした。
数カ月後に本谷さんからの返信が付いていた。なぜ当時原作の『ランス』シリーズを未プレイだったのか本谷さん側の理由や事情が書かれている。YUKIMIさんのツイートが2019年8月上旬で、本谷さんがそのツイートに気づいてリプライ送ったのが2ヶ月半後の2019年10月下旬。それだけ時間経てばYUKIMIさんの上記ツイートの詳細、それに付いたリプライ見る人なんて、まずいないだろう。しかし、本谷さんのこのリプライ、自分が過去ツイート調べた限りでは、YUKIMIさんから本谷さんにリプライ返したりリプライに言及したり、RTや引用RTをした形跡はなく(DMでやりとりあったのかはわからない)、RTとイイネも自分が見つけるまで「0」だった――ということは、YUKIMIさんの話はYUKIMIさんのフォロワーと、RTである程度(多くはアリスソフトファン、ランスシリーズファンに)広まったが、ほとんどの人はこの本谷さん製作側の事情は知らないままということだ。
前述の通り、自分が懸念しているのは、ツイートされてから結構な時間経った今、このYUKIMIさんの同ツイートだけを(どういう流れでツイートされたものかわからないまま)見て①の意味で受け取り、監督=本谷さんに対してネガティブなイメージ抱く人、誤解する人が出ないかということ。余計なお世話かもしれないがそれがどうしても気になったのでこの記事を書くことにした。念の為書いておくがYUKIMIさんが嫌いだからとか、そういう理由で書いた訳ではない。
それ以外の理由としては『Rance 砂漠のガーディアン』についてメモがてら書いておきたかったのもあり。本谷さんが言及してからしばらく経つが、アリスソフトファン、ランスシリーズファンの間では一瞬話題にはなったものの、作画wikiの本谷さんの項目が更新されていなかったり、アニメファンの間ではあまり話題になっていない印象を受けた。作品自体がアダルトアニメということで触れにくいのもあるかもしれない。
本谷さんのツイートにあるように前編後編の絵コンテと前編の演出を担当したということなので、
『Rance 砂漠のガーディアン』前編
・コンテ&演出:秋山健士=本谷利明さん
『Rance 砂漠のガーディアン』後編
・コンテ:秋山健士=本谷利明さん
・演出:富井恒=冨永恒雄さん
となる。この作品のみに限らず、「秋山健士」が本谷さんがアダルトアニメに関わる時に使用していた名前なら、他のアダルトアニメ作品のクレジットから「秋山健士」記載されている物を探せば本谷さんが関わっていたアダルトアニメ作品がわかるかも?この辺り調べるのは作画オタクの方にお任せ。